松井秀喜がアストロズからのオファーで再発進する可能性が出てきたはずが一転、現役引退となりました。
アストロズが、2012年に自由契約の松井秀喜外野手を、2013年キャンプに招待選手として参加させる用意があったはずでした。
ウインターミーティングでジェフ・ルーノーGMが、年明けに松井サイドにオファーを出す見通しを示したとのことでしたが、既にメジャーの選手をとってポジションの枠が重なり、なくなったためです。
招待選手としてのキャンプ参加はメジャー昇格を保証されるものではないけれど、メジャー復帰に「光」が見えてきたはずだったのですが・・。
今季レイズとマイナー契約を結んだのはシーズン開幕後の4月30日で、それまで自主トレ中心にメニューをこなしてきただけに、自ずと練習量や特に実践力、実践感覚には不足感が否めなかったと思われます。
松井が一番欲しかったのは、キャンプを通じての自己調整でしたが、今までできなかったことに、松井としても、まだやれるはずだと、色々な思いがあったと思います。
現役引退まで、これまでの一番の思い出は、長嶋さんとの素振り練習だったと言います。
ジャイアンツ時代、不振であっても微調整が図られていたのですね。
確かに、これまでもジャイアンツ時代はスランプでも、しばらく経てばヒットが当たり始め、ホームランなどそんなに時間がかからず、不振を吹っ切ってバンバン打ちはじめていましたから。
打席に立てば打ちそうで、相手チームにとってはスランプと言えども嫌な存在だったと思います。
長嶋さんとのバッティングや素振りの練習はかなり贅沢で他のバッターからすると羨ましい限りです。荒川さんと王さんみたいな師弟関係で鍛えられたのかもしれませんね。
恐らくそうした長嶋さんからのアドバイスがマンツーマンであれば、不振からの脱却に道筋が見えた可能性も否定できません。
だって、イチローでもスランプに陥ることはあるので。
スランプと打てないは別物ですが
何らかの手がかりが、日本でプレーをしていると
得られたはずです。
あのメジャーでのスライディング以来、体を壊した回復後もその微調整が出来ないのと、体調管理や異国の地での様々なもののバランスが取れず現役引退を早めたように思います。
サンケイスポーツによると、ヤンキースなど多くのチームメートがいる中で、ヒデキはお気に入りの選手の一人だったとジーターがコメントしています。
「彼のプレーへの取り組みは印象的だった。多くの記者に囲まれニューヨークと日本のファンのために結果を出さなければいけないという重圧の中で、ニューヨークという注目される場所になじみ、チームメートとともにプレーに集中していた。
彼を大いに尊敬しているし彼の存在は2009年にヤンキースが、ワールドチャンピオンになれた大きな理由なんだ」と功績を讃えたようです。
また、デイリースポーツによると、ジャイアンツの長嶋茂雄終身名誉監督が、現役引退の松井秀喜外野手についてコメントを発表。
「大好きな野球を続けたいという本心よりも、ファンの抱く松井像を優先した決断だったように思う。最後の2、3年は投手と対戦する前に、ひざの故障と戦う毎日で、本人も辛(つら)かっただろう。2000年の日本シリーズ、09年のワールドシリーズで、チームを優勝に導いた大きなホームランが目に浮かぶ。
個人的には、二人きりで毎日続けた素振りの音が耳に残っている。これまでは飛躍を妨げないよう、あえて称賛することを控えてきたつもりだが、ユニホームを脱いだ今は、『現代で最高のホームランバッターだった』という言葉を贈りたい」
と、長嶋さんも最大の賛辞を贈るとともに、やはり、あの素振りの存在が大きいのですね。
プロでもアマでも、変わらない素振りの大切さ。野球は、走りこみもそうですが、素振りの必要性を改めて感じます。基礎を積み上げなくては、プロでも通用しないわけです。
「二人きりで毎日続けた素振り」これは、羨ましくもあり、すごいことですね。世界最高のアドバイザーです。
松井秀喜引退に際し涙を浮かべ会見する巨人・原辰徳監督も、ある意味、松井の無念さを感じているからですね。せめてもう一度と。
現役の晩年はひざの故障で苦労したと思いますが、いずれにしても、お疲れ様と言いたいですね。まだ、引退の言葉は、使いたくなく草野球も残っていると言っていました・・・。